天津市、突発公共衛生事件応急管理弁法を発表

(中国)

北京発

2020年05月26日

天津市は5月18日、「天津市突発公共衛生事件応急管理弁法」(以下、弁法)を発表し、同日施行した。

弁法における突発公共衛生事件とは、突発的に発生した、社会公衆衛生に大きな損害を与える、または損害を与える可能性のある重大な伝染病、原因不明のクラスター疾患、重大な食品中毒、職業中毒およびその他の公衆衛生に大きな影響をもたらす事件などを指す。過去には重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2003年に、国務院が「突発公共衛生事件応急条例」を発表し、天津市を含む各地方は地方の突発公共衛生事件応急弁法を公布した(その後、天津市は2010年11月同弁法を修正)。今回は新型コロナウイルス感染の拡大を踏まえ、全国に先駆けて本弁法を新たに作成した。

医療衛生、検査検疫、環境保護監測、教育などの関連機関は、食物中毒、職業中毒(注)、環境要因の事件、思いがけない放射・照射、また原因不明のクラスター疾患などを発見後、1時間以内に所管区域の衛生管理部門(疾病予防コントロール機構)に報告しなければならないことなどが定められている。また、本弁法の規定に違反し処罰を受けた場合、関係機関によって信用情報共有プラットフォームに処罰の情報が掲載され、法に基づき合同懲戒が実施されることが新たに規定されている。

(注)工業現場などの労働生産環境において発生した化学物質による中毒のこと。

(鄭慧)

(中国)

ビジネス短信 98c24eddb7b5fd97