シタラマン財務相、経済対策パッケージの詳細を発表

(インド)

ニューデリー発

2020年05月19日

ニルマラ・シタラマン財務相は5月13日、モディ首相が12日に発表した20兆ルピー(約28兆円、1ルピー=約1.4円)規模の経済対策パッケージ(2020年5月14日記事参照)の詳細を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の発表は中小企業向けの支援策が中心となっており、全容は今後数回に分け発表される予定だ。主な内容は以下のとおり。

  • 中小を含む企業向けの3兆ルピー規模の無担保ローン。
  • 経営を圧迫された中小企業に対する2,000億ルピー劣後債務提供。
  • ファンド・オブ・ファンズを通した中小企業向けの5,000億ルピー規模の資本注入。
  • 中小企業の定義の見直し。基準額を引き上げ、優遇対象となる企業の範囲を拡大。
  • 20億ルピーまでの政府調達に関し、国際入札を禁止。地場中小企業のビジネスチャンス拡大。
  • 中小企業の従業員積立基金(EPF)の政府による支払いについて、もともと2020年3~5月分としていたが、さらに3カ月間の延長。
  • 雇用者と従業員からのEPF拠出額を今後3カ月間、どちらも月額給与の12%から10%へ引き下げ。
  • ノンバンク、住宅金融、小規模金融のための3,000億ルピー規模の特別流動性スキーム創設。
  • ノンバンク、小規模金融の債務向けの部分信用保証スキームを4,500億ルピー規模で拡大。
  • 配電公社向けに9,000億ルピーの流動性供給。
  • 鉄道、道路等の公共事業について、EPCおよびコンセッション契約を含む契約上の義務の履行期限を、最大6カ月延長。
  • 不動産の開発・販売規制に関する法律〔Real Estate(Regulation and Development)Act, 2016(通称:RERA)〕に基づくプロジェクト登録について、登録日と完工日を最大6カ月延長。
  • 慈善信託や非法人企業、専門職に対して保留となっている所得税の還付を直ちに実施。
  • 2020~2021年度の残りの期間について、居住者の非給与支払いに対する源泉所得税(TDS)と源泉徴収税(TCS)の適用税率を25%減税。
  • 各種税務関連コンプライアンスの期限延長。

各項目の詳細は、シタラマン財務相が会見で使用したプレゼンテーション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(磯崎静香、ミナクシ・ベルワル)

(インド)

ビジネス短信 965c3c5ea6593e22