輸出加工区内の工場操業再開ガイドラインを発表

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年05月07日

輸出加工区庁(BEPZA)は4月25日、輸出加工区(EPZ)内の工場再開のためのガイドライン(添付資料参照)を通知した。バングラデシュでは、5月16日まで政府機関や民間企業の休業措置が実施されているが、本ガイドラインを順守の上、EPZ内の工場は4月26日から工場操業を再開できる。主なポイントとしては、以下が挙げられている。

【操業のための必須条件】

  1. 工場再開のためにはBEPZAから許可を取得すること。
  2. 工場は、ガイドラインに基づいた部分開業であること。4月26日~5月10日の間は、投資家、労働者の安全を第一とし、通常の20~25%の規模の労働者での操業を認める。ガイドラインに沿った安全対策や今後の感染状況により、部分開業期間や労働者の割合は増加しうる。
  3. BEPZAからの通知を順守すること。違反した場合は、必要な措置が講じられる。

【対策を必要とする主な措置内容】

  1. 工場に入場する際は、従業員のマスクの着用、靴の消毒、工場外に設置された手洗い場での手洗い、体温測定(37度以上の場合は入場禁止)を実施する。
  2. 工場内の混み合うエリアは一方通行とする。また、工場内ではセクションごとに時間差での稼働を行い、ソーシャルディスタンスを保つための措置(昼食時間のシフト化、通勤バスでの席配置など)を講じる。
  3. スタッフとのコミュニケーションを円滑かつ迅速にする。
  4. 工場内に「COVID19タスクフォース」を設立する。
  5. メディカルチームや隔離施設の設置、個人防護服の提供など、医療体制を準備する。
  6. 従業員がコロナウイルスに感染した場合や従業員の家族が感染した場合には、病気休暇扱いとせずに自宅待機とする。
  7. ドアノブ、手すり、トイレ、共用スペースなどを頻繁に清掃、終業時の機械の消毒などを実施し、施設の衛生状況を確保する。
  8. 新型コロナウイルスに関する研修(感染時の症状、予防策など)を実施する。
  9. 工場の入退場の方法、検疫措置が必要となる際の手順などを策定する。
  10. 自己隔離基準を策定する。
  11. 感染の症状が見受けられる際の対処法、同居家族に症状が確認された際の対処法などを策定する。

操業再開に当たり、手洗い場の設置などに時間を要し、操業許可が得られていない工場もあるが、一部日系企業は4月26日から操業を再開している。また、5月7日から操業再開を予定する日系企業もみられる。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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