新型コロナ対策、市中銀行に顧客向け融資の利率引き下げが相次ぐ

(エチオピア)

アディスアベバ発

2020年05月29日

市中銀行の企業向け融資の利率引き下げが相次いでいる。

エチオピア投資委員会の5月26日の報告によると、期間はおおむね3カ月が多いが、引き下げ率は対応が分かれている。銀行によって、0.5~5ポイントの間で引き下げる場合(ライオン銀行が最大で5ポイント、ゼマン銀行は最大3ポイントなど)もあれば、顧客に適用している利率を一定割合引き下げる場合〔ユナイテッド銀行は花卉(かき)・ホテル・旅行業に25%、その他業種は5%など〕もある。中央銀行の貸出基準利率(7%)まで引き下げる対応(アワシュ銀行、ダーシェン銀行)もみられる。これまで新型コロナウイルスが世界を騒がす前の、平時の企業向け貸出利率は15%を上回る水準だった。

利率引き下げの対象には、花卉・園芸産業、観光・ホテル産業などを設定するところが多い。対象を広げている銀行もあり、ダーシェン銀行は輸出部門全般を、ライオン銀行は農業、貿易、運輸、建設部門を、ゼマン銀行は製造業を割引対象に含めている。ユナイテッド銀行は全業種が対象だ。

貸出利率見直しに先立ち、中央銀行は新型コロナウイルスに関連した事業活動への影響緩和のために、市中銀行に利率見直しを促していた。利率見直し以外にも、多くの銀行は返済計画の見直しや銀行手数料の減免に応じている。

(関隆夫)

(エチオピア)

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