高知県産マグロをPR、自治体主導イベントが再開
(中国、高知)
北京発
2020年05月29日
北京市では、開催が延期となっていた全国人民代表大会(全人代)が5月22日に開催され(2020年5月26日記事参照)、これを機に、経済活動の正常化に向けた動きがさらに加速すると期待されている。
全人代の開幕に合わせ、5月22日に北京のシャングリラホテル内にある高級日本料理店「西村」で、高知県産クロマグロの解体イベントが開催された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、食品関連イベントは実施できない状況が続いていた。本イベントは、感染が収束に向かいつつあることを受け、高知県産クロマグロの流通再開をPRする目的で実施された。
本イベントには中国版Twitterの「微博(ウェイボー)」や動画プラットフォームの「bilibili(ビリビリ)」上に多くのフォロワーを持つ、インフルエンサー8人が参加した。ビリビリでのライブ配信では4,000人が視聴する中、視聴者の質問にリアルタイムで回答しながらマグロを解体する様子が実況中継された。
本イベントでは、高知県の道水中谷水産が養殖した「黒浪本マグロ」が使用された。ほぼ天然の餌のみで育てられ、上品な脂がのっているのが特徴で、参加した現地水産物卸売業者は「黒浪本マグロのように脂がのっているマグロは、中国人に好まれる」と感想を述べた。
高知県によると、同県における2018年の水産物輸出額は合計2億7,316万円で、前年比235%増の大幅な伸びを記録した。2019年9月には、水産物の売買、加工、製造、販売を行う高知道水が中国向け輸出水産食品施設登録を完了させており、今後、高知県産水産物の中国への輸出拡大が期待される。
高知県庁は、今回のイベントを皮切りに、今後より規模の大きいイベントの開催を予定しており、高知県産マグロの中国市場への流通を拡大していきたいとしている。
(唐澤和之)
(中国、高知)
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