連邦議会、医薬品・医療資機材の輸入許可を72時間以内に行う法案可決

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月07日

ブラジル上院議会は5月6日、国家衛生監督庁(ANVISA)による医薬品や医療資機材の輸入・流通にかかるANVISAへの製品登録について、新型コロナウイルス感染拡大対策の実施期間中に限って、例外的かつ一時的に、製品登録なしで輸入許可を与える法案(2020年864号)を可決した。同法案は4月1日に下院を通過していたもの(2020年4月6日記事参照)。今後、大統領の裁可を経て発効することが見込まれる。

ANVISAによる製品登録は、規制が最も厳しい医薬品の場合、種類や製品によってはかかる期間が1年3カ月から3年にもおよぶ。今回の法案は、対象製品に限り、申請から「72時間以内」と定めており、ブラジルへの輸入に際し大幅な時間短縮となる。

同法案は新型コロナウイルスによる公衆衛生上の緊急事態に対処するために、ブラジル当局が採用可能な諸措置(2020年2月6日法律第13,979号第3条)のひとつとして追加されるものとなる。対象製品は医療分野のあらゆる原材料、医薬品、機器、消耗品としているが、事前に以下の外国機関による認証を得ている必要がある。

米国:米国食品医薬局(FDA)

欧州:欧州医薬品庁(EMA)

日本:医薬品医療機器総合機構(PMDA)

中国:中華人民共和国国家食品薬品監督管理局(NMPA)

なお、法案では、対象となる医薬品を処方または投与する際に、医師が患者または同法定代理人に対し「当該品がANVISA未承認であり、上記外国当局によって認証を得ており使用が可能になったこと」を事前に通知することを義務付けている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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