3月末の総外貨準備高を890億ドルと発表、通貨ペソも安定

(フィリピン)

マニラ発

2020年05月12日

フィリピン中央銀行(BSP)は4月30日、3月末時点の総外貨準備高(GIR)は、国全体の輸入額の7.9カ月分、短期対外債務の5.3倍に相当する889億9,590万ドルと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2月末時点から0.9%(8億890万ドル)増、前年同月からは6.4%(53億8,270万ドル)増となった。

3月末時点のGIRの内訳は、海外投資(外貨建て債券)が766億8,480万ドル(構成比:86.2%)、金準備が80億1,590万ドル(9.0%)、外国為替が25億4,170万ドル(2.9%)、IMF特別引き出し権(SDR)が11億7,480万ドル(1.3%)、IMF準備ポジションが5億7,870万ドル(0.7%)だった。GIRからBSPの短期債務を引いた純外貨準備高(NIR)は、3月末時点で889億9,000万ドルとなり、2月末から8億1,000万ドル増加した。

3月の通貨ペソの対米ドル平均為替相場は1ドル=50.9036ペソと、新型コロナウイルスの感染拡大前の1月(50.8386ペソ)、2月(50.7448ペソ)と今のところ大幅な下落傾向はみられない。また、短期対外債務と外貨準備の比率は5.3倍と、流動性確保の観点から望ましい水準とされる1倍を超え、フィリピンの返済力は、新型コロナウイルス問題が本格化した3月も、引き続き安定している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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