カルナータカ州、中国に立地する外資系企業誘致に向けてタスクフォースを設置

(インド)

ベンガルール発

2020年05月19日

カルナータカ州政府は5月11日、中国に工場を持つ外資系企業に対して、カルナータカ州への生産拠点移設の誘致を行うための特別投資促進対策委員会(Special Investment Promotion Task Force、以下、タスクフォース)の設置を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

同タスクフォースは、ビジェイ・バスカール州政府・首席次官のリーダーシップの下で実施される。タスクフォースのメンバーとして、在ベンガルールの各国政府機関や商工会議所が招待されており、日本はジェトロおよび日本企業代表1社が参加予定、そのほか、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)、TAITRA(台湾貿易センター)に加え、米国、ドイツ、フランスの商工会議所からも各機関2人の代表が選ばれる予定。

州政府通達では、従来からの中国内の労働者の賃金上昇、労働者不足、米国との貿易戦争に加え、東南アジアの製造拠点としての成長、新型コロナウイルスの影響による「世界の生産ハブ」としての中国の位置付けへの懸念が説明されている。また、中国からの自国企業の撤退、自国回帰や第三国への移管に対してインセンティブを検討する動きが、諸外国に出てきているとの認識が示されている。また、地場メディアは、米国や日本が自国企業の中国拠点を移管させる動きに対し、政府は何らかの支援策を検討しており、今後は韓国や台湾、シンガポールなどの企業もインドへの生産移転を検討する可能性があると伝えている。インド側としては、この状況を製造業振興「メーク・イン・インディア」を促進する良い機会と捉え、さらなる外資進出や雇用機会の創出、技術移転を進めたい考えだ。

ジャガディッシュ・シェッタ州産業大臣は、「カルナータカ州はインドで最もビジネスがしやすく、多様な産業の集積地であることから、インドへの移転関心企業の誘致に向けていち早く動きたいと考えている。これから各国の有力企業と議論を進める中で、投資のための新たなインセンティブを提供したい」とし、州としての取り組み意欲を示している(「タイムズ・オブ・インディア」紙5月12日)。

(遠藤壮一郎、ディーパック・アナンド)

(インド)

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