バグダッドの24時間外出禁止令、ラマダン月に一部緩和

(イラク)

ドバイ発

2020年05月01日

イラク政府は4月21日、首都バグダッドで3月17日から実施してきた24時間の外出禁止措置を緩和した。ラマダン月とほぼ重なる期間となる、5月22日までの外出禁止の時間帯は午後7時から翌日午前6時までとなる。ただし、外出時はマスク着用を義務付けるほか、集会は引き続き禁止となる。また、スーパーや薬局に加えて、自動車整備サービスや理美容などの一部業種で営業再開を許可したが、ショッピングモールは閉鎖されたままだ。レストランの営業はテークアウトとデリバリーに限定するなどの予防措置を講じている。

ロックダウン(都市封鎖)が始まって約1か月が経過する中、国内での新型コロナウイルスの新規感染確認数が減少傾向となったことが今回の緩和の背景となったとようだ。ジェトロの調べでは、感染者数は規制緩和が発表された4月19日までの1週間は1日平均で30人を下回り、その前の週から半減していた。一方で、規制緩和後の21日からの1週間では1日平均約40人とやや増加する傾向にあり、今後の推移が注目される。

イラク各県では上記の連邦政府の指針に加えて独自の追加措置を取ることができるが、南部の中心都市バスラでは、いったん緩和された24時間の外出禁止令が25日から4月30日まで延期となっていた。

北部のクルディスタン地域では、バグダッドに先んじて3月13日から実施している外出制限を5月1日まで延長した。同地域政府が発表している感染数は4月30日時点で総計367人だが、17日以降は新規感染数がゼロの日も多く、感染拡大が抑制されているとみられる。外出制限の期限延長が発表された23日、地域政府の保健相は「段階的に緩和する予定」としながらも、「この危機に打ち勝つには時間を要する」と強調したと現地紙が報じている。

(田辺直紀、オマール・アル・シャマリ)

(イラク)

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