第1四半期のGDP成長率はマイナス3.4%、新型コロナの影響で内外需ともに減少

(ペルー)

リマ発

2020年05月29日

ペルー中央準備銀行(BCRP)は5月21日、2020年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を前年同期比マイナス3.4%と発表した(添付資料表参照)。特に3月はマイナス16.3%で、単月の数値としては10年7カ月ぶりにマイナス成長に転じている。これには3月16日から新型コロナイルス感染拡大抑制のために発令された全国緊急事態宣言が大きく影響している(2020年3月18日記事参照)。

産業分野別では、炭化水素と生活必需産業の1つとして活動停止の対象外となった農畜産業以外は、全ての産業がマイナス成長を記録した。需要項目別では、緊急事態宣言の外出規制により、内需は前年同期比1.8%減となった。2019年第4四半期(10~12月)に6.6%だった失業率は2020年第1四半期には7.8%に上昇しており、内需低迷の一因となっている。外需では、3月から国内で多くの産業の活動が停止した上、主要輸出先である米国や中国の経済活動が停滞したため、伝統産品(鉱物資源、魚粉など)を中心に輸出が減少し、伝統産品でマイナス10.6%、非伝統産品でマイナス6.4%、全体ではマイナス10.1%となった。

BCRPのフリオ・ベラルデ総裁は、今後は政府の経済活動再開計画の進み具合次第としつつも、ペルーの経済回復は2020年第3四半期(7~9月)から始まると述べている。ただし、実際にGDPがパンデミック前の水準に回復するのは、2021年第4四半期になるだろうと示唆している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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