付加価値税や法人税の納付期限を5カ月延長

(ベトナム)

ハノイ発

2020年04月10日

ベトナム政府は、税金および土地賃貸料の支払期限延長に関する政令41号(41/2020/NĐ-CP)を4月8日付で公布した。同政令は、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた企業を支援するため、付加価値税、法人税、個人所得税および土地賃貸料の支払期限延長について定めたもので、即日で施行となった。

適用対象となる業種は、農林水産業、建設業および特定の製造業(注)のほか、運輸・倉庫、宿泊・飲食、教育、医療、不動産経営、旅行関連、文化・芸術・スポーツ関連のサービス業。また、中小企業支援法の細則で規定された零細企業と小企業、新型コロナウイルス対策支援のために国家銀行によって認定される信用機関と外国銀行の支店も対象に含まれる。なお、内外資本の区別はなく、在ベトナム日系企業も対象になり得る。

対象企業は2020年3月から6月に発生した付加価値税の納付期限をそれぞれ5カ月延長できる。たとえば、2020年3月期の納付期限は9月20日までとなり、6月期の納付期限は12月20日までとなる。また、2019年確定申告による法人税および2020年第1~第2四半期の仮払い法人税の納付期限を5カ月延長できる。企業が確定申告による法人税を既に納付している場合、他の税金への振り替え調整が可能となる。土地賃貸料は、年間一括払いの場合、支払期限を2020年5月31日より5カ月延長できる。適用業種の個人経営者は、2020年の付加価値税および個人所得税の納付期限を、最大で2020年12月31日まで延長できる。延長措置を受けるためには、対象企業は一括して管轄の税務局に申請をする必要があり、関連書類を2020年7月30日までに提出しなければならない。

現地報道によると、財務省は98%の企業(70万社以上)が延長措置を受けられ、180兆ドン(約8,280億円、1ドン=約0.0046円)相当の予算規模になると試算している。

(注)対象となるのは、次のものを生産・製造する製造業。食品、紡績、衣服、皮革および関連製品、木材・竹製品、藁や編物原料からの製品、紙および紙製品、ゴム・プラスチック製品、非金属鉱石からの製品、金属、機械加工、金属のコーティングと処理、電子機器、コンピューター、光学機器、自動車およびモーター付き車両、ベッド、タンス、机、椅子、ベトナム政府が規定する裾野産業製品。

(庄浩充)

(ベトナム)

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