越境EC大手の天猫国際、2020年に1,000社の初出店を目指す

(中国)

上海発

2020年04月30日

アリババが運営する越境ECプラットフォームの「天猫国際」は4月16日、2020年中に「デジタルネットショップ」に初出店する店舗数を1,000社に増やし、5年でネット販売による輸入額を2,000億ドルとすることを発表した。デジタルネットショップでは、購入者の消費動向などビッグデータを駆使し、90日間という短い販売期間ではやりの商品を作り出すことを目指していく。

「天猫国際」によると、2020年1~3月に同プラットフォーム上で20万超の新商品が販売され、海外ブランドの出店数は前年同期の4倍に増えた。また、2月分のデータをみると消費者が「天猫国際」で購入した商品の輸入額は前年同期比の52%増と大幅に増加し、輸入品に対する消費意欲の高さがうかがえる。

現在までに、「天猫国際」には全世界92の国・地域の2万5,000余りの海外ブランドが進出しており、5,100以上の商品のカテゴリーを展開している。このうちの8割以上のブランドが「天猫国際」を通じて中国に初進出している。

「天猫国際」は同プラットフォームに出店している海外サプライヤーに対し、新型コロナウイルス肺炎の影響拡大に伴う支援措置を実施している。その内容はプラットフォームのサービス料を免除する、合計で5億元(約75億円、1元=約15円)の低利息貸付を提供する、保税倉庫貸付料を減免する、物流補助金を提供するといったものである。

2020年第1四半期中国の実物商品オンライン小売額は5.9%増加

国家統計局が4月17日発表したデータによると、2020年第1四半期の全国のネット小売額は前年同期比0.8%減の2兆2,169億元(約33兆5,644億円、1元=約15円)で、実物商品オンライン小売額(旅行などサービス商品を除いた実物商品のみ)は5.9%増の1兆8,536億元となった。

(呉秀媛)

(中国)

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