感染者増加に備える医療機関、新型コロナウイルス感染症への対応

(イスラエル)

テルアビブ発

2020年04月01日

ドライブスルー方式などのウイルス検査体制の拡充に伴い、新たな感染者の把握数が増加しているため、マスクや検査キット、人工呼吸器などの医療機器を国外から調達し、重篤度が高い患者を治療する体制の整備が進んでいる。また、現場での課題を解決したい医療機関と、解決策の提案を行う企業を繋ぐ試みも始まっている。

保健省によると、これまで国内で確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の数は4,831人(3月31日午前8時)。全体のうち、病院での治療中573人(入院)、政府指定ホテルでの治療中619人、自宅での治療中2,580人、回復した者163人となっている。重篤度が低い場合は、病院ではなくホテルや自宅で治療が行われる。

感染者対応の中心的な役割を担うシバ病院は3月下旬、新型コロナウイルス対策のためのCCCU(Corona Critical Care Unit)を立ち上げ、感染者専用に410の病床を整備する計画を発表した。これまで感染者治療のため専用の病床数を約90床まで増設しており、今後も状況に応じてさらにキャパシティを拡充し、治療に人工呼吸器を必要とする重篤者が増える前に患者の受入体制を強化する。

同病院は米「ニューズウィーク」誌が選ぶ「The 10 Best Hospitals in the World」(2020年3月発表)で9位にランクインし、およそ2,000の病床数を持つイスラエル最大の病院だ。同病院では医療従事者に対する感染リスクを低減し、重篤度が高いウイルス感染者を優先的に病院で治療するため、遠隔医療プログラムを実施している(2020年3月27日記事参照)。

感染拡大に対処するため、いくつかの新しい取り組みが始まっている。デジタルヘルス分野のビジネスエコシステム育成の役割を担うHealthILは「CounterCorona」プログラムを実施し、マッチングを行う試みを開始した。医療機関や健康維持機構(HMO:Health Maintenance Organization)がオンラインプラットフォームに解決したい課題を掲載し、企業などが解決策の提案を行うもので、感染者の対応を行う医療従事者間のコミュニケーションやノウハウの共有、効率的なウイルス検査方法など、感染者対応における現場のニーズがリストアップされている。

ほか、スタートアップのデータベース、スタートアップネ-ションセントラル(Start-Up Nation Central:SNC)では、「coronavirus」を検索キーワードとして使うと、各社のソリューションの内容を確認することが可能だ。執筆時点で約100社の検索結果が表示される。

(余田知弘)

(イスラエル)

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