ヘルス・シルクロードを通じた支援を中国が強化

(トルコ、中国)

イスタンブール発

2020年04月15日

トルコのエルドアン大統領は4月8日、中国の習近平国家主席と電話で協議し、新型コロナウイルス対策や両国の関係について意見を交換した。中国はトルコに対して3月以降、医療支援やマスクなどの無償提供に加え、医療専門家同士のビデオカンファレンスを通じたベストプラクティスの共有などを行っており、中国政府による「ヘルス(健康)・シルクロード」(注)における支援の一部がトルコにも届き始めている。ただし、アリババや華為技術(ファーウェイ)などの民間企業の支援も伝えられているが、中国製検査キットの信頼性には疑義も呈されるなど、評価は分かれている。

トルコにおける中国の動きとしては、3月26日にトルコ・ウェルスファンド(TWF)と中国輸出信用保険公司(Sinosure)が両国の経済、貿易、投資関係を深めるためのMoU(共同覚書)を締結した(4月3日付トルコ共和国大統領府投資局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど)。中国輸出信用保険公司は、エネルギー、石油化学、鉱業関連のプロジェクトに中国の投資家や金融機関を呼び込み、最大50億ドルの保険を提供する予定という。

また3月25日には、中国武漢の中国葛洲壩集団(China Gezhouba Group Company)とトルコのKAF Teknik Yapi建設が、トルコ西部内陸のウスパルタ県エイルディルの揚水発電プロジェクト(1,000メガワット)で、15億ドル規模の建設契約を結んだと発表した(3月28日付中国葛洲壩集団プレスリリース)。

同様の動きはコーカサス諸国でも見られ、アゼルバイジャンではアリババがマスクと検査キット、防護服、人工呼吸器、サーマルカメラなどを寄付し、アルメニアでは中国の支援に副首相が謝意を伝えるなどの動きがみられる。トルコ自身も、バルカン諸国などへの医療用品の支援に乗り出している。

(注)新型コロナウイルス感染を防ぐために中国がイタリアなど各国に取っている国際協力・衛生支援の施策。

(エライ・バシュ)

(トルコ、中国)

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