全米自動車労組、5月初旬の生産再開に反対を表明

(米国)

ニューヨーク発

2020年04月27日

全米自動車労働組合(UAW)は4月23日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により生産活動を停止している自動車メーカーに対し、各社がターゲットとしている5月初旬の再開時期を遅らせるよう声明を発表した。

一部メディアでは、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)が、米国の複数の工場を5月4日に再開すると述べたことや、再開日を未定としているゼネラルモーターズ(GM)とフォードが同時期の再開を目指していることが報じられている(「デトロイト・フリー・プレス」4月23日ほか)。

UAWのロリー・ギャンブル代表は声明の中で、再開に向けた道筋をつけるにあたって、これまでのメーカーの対応と協力に満足していると述べる一方で、「科学的データからみて、現時点で従業員を職場に戻しても安全という結論には至っていないと考えている。再開にあたっては、科学的データに加え、健康面で従業員が従うべき手順や、安全保護策が強化されているということを確認したい」との見方を示した。

自動車専門紙の「オートモーティブ・ニュース」(4月23日)によると、UAWの声明に対し、FCAは「われわれは適切な社会的距離を維持するために作業場を再設計するなど、安全性の確保に努めている。安全が確保された職場でのみ業務を再開する」とコメントした。また、GMのグローバル製造担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのジェラルド・ジョンソン氏は「安全管理の準備はできている。連邦や州政府との足並みがそろった時点で再開に踏み切るだろう」と述べた。

(大原典子)

(米国)

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