3月のインフレ率は3.3%、予想を上回る悪化
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年04月21日
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は4月15日、3月の月間インフレ率〔消費者物価指数(CPI)上昇率〕を3.3%と発表した。3月末に民間コンサルタントらが予想した2.6%を上回る結果となった。一方、年率(過去12カ月の累積)では48.4%と過去1年間で最も低い数値となった。昨年4月から7月までの月間インフレ率が連続して低下したためで、今年半ばまではこの傾向が続く可能性がある(添付資料の図参照)。
3月の月間インフレ率を項目別にみると、学費の改定が行われた影響で、教育が17.5%と最も上昇した(添付資料の表参照)。
食品・飲料(酒類を除く)分野は3.9%だった。政府による価格凍結措置が奏功した。政府は3月20日に約2,300の品目について、3月6日時点の価格を参考に最高価格を設定し、1カ月間価格凍結を行うことを決定した。バスケット(対象の品目群)でのウェイトが高い同分野で価格上昇が抑制されたため、全体のインフレ率上昇にも歯止めがかかった。4月15日付ラ・ナシオン紙によると、政府はこの措置の延長を検討しているという。
一方、住宅・光熱・その他燃料は、複数の州で公共料金の値下げが実施されため、1.4%と全体の中で最も低い上昇率となった。
(津下みなみ)
(アルゼンチン)
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