新型コロナの感染急拡大で、政府はIMFに5億ドルの緊急支援を要請

(エクアドル)

ボゴタ発

2020年04月03日

エクアドル保健省は4月1日、新型コロナウイルスの感染者数が2,758人、死者98人に達したと発表した。エクアドルの人口は約1,700万人ながら、南米の感染者数ではブラジル、チリに続いて3番目に多い。また感染者の70%(1,941人)が、商業都市グアヤキルを県都とするグアヤス県に集中している。

エクアドル政府は3月16日以降順次、入国禁止や県外移動の禁止、午後2時から翌朝5時までの外出禁止令、車両ナンバーによる交通規制などの措置を取っている。食品、医療、金融などを除く商業施設の営業も停止しており、企業の在宅勤務措置は当初3月31日までの計画だったところ、4月5日まで延長する。また経済対策として、月収400ドル以下の約40万世帯を対象に、4月1日から5月31日にかけて、60ドルの給付金を支給する。

IMFへ5億ドル、IDBなど国際機関へも総額5億ドルの支援要請

エクアドル政府は3月23日、原油価格の大幅下落と新型コロナウイルスで打撃を受ける経済を安定させるため、IMFへ5億ドルの緊急支援を要請した。これを受けIMFは同日、エクアドル政府の要請に応えるため、至急審査を開始すると発表した。エクアドルは輸出の約4割を原油および同派生品が占めており、原油価格の大幅下落で財政が悪化している。リチャード・マルティネス財務相は、新型コロナウイルス対策への財源を捻出するため、約2億ドルの国債の利払いについてもIMFへ30日間の猶予期限を要請したと述べた。また、米州開発銀行(IDB)、ラテンアメリカ開発銀行(CAF)、世界銀行から総額5億ドルの融資を受けるほか、2国間借り入れとして中国から10億ドルの融資を受ける予定であるとも述べた(「エル・ウニベルソ」紙3月23日)。

(茗荷谷奏)

(エクアドル)

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