新型コロナ対策、私用車に車両ナンバーで交通規制

(エチオピア)

アディスアベバ発

2020年04月21日

エチオピア政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止を進める中、4月17日には交通に関する各種制限が明らかになった。制限対象は公共交通機関に留まらず、私用車も含まれる。私用車も旅客用車両と同様に座席使用は定員の半分までとなる。また、ナンバーに応じた隔日の利用に制限される。

在エチオピア日本大使館によれば、私用車は、4月20日以降、ナンバーの末尾が奇数の車両は、月、水、金に使用できる。末尾が偶数なら、火、木、土に使用できる。日曜日はどちらも使用可能となる。業務上必要なものには特別許可を与えるとされるが、必要性や許可の要件・手続きは不明だ。もともと日曜日は、社会慣習上、礼拝などに赴き、静かに過ごし、交通量が極端に減ることを考慮したと思われる。

交通制限は公共交通機関で通勤するスタッフへの影響も大きい。すでに11日に発表済みの非常事態宣言の細則では、市営バスやミニバスなど一般市民の足となる公共交通は座席使用率を50%に制限している。エチオピアでも他のアフリカ諸国同様にワゴン車が乗合バスとして活用されており、乗車制限で運賃値上げ(2倍)が報告されている。

アディスアベバ市内を走る市内軽量軌道鉄道(LRT)は座席使用率が25%で、制限は一層厳しい。LRTは安価で渋滞を避けられるため、平時には乗客が席に座れないほど混雑していた。

三輪タクシー(通称、バジャジ)では、乗客席は1席のみが使用可能だ。アディスアベバ市内への三輪タクシーの乗り入れは禁止されているが、通勤者はアディスアベバ市を囲むオロミア州に在住するケースも多く、郊外でよく利用されている。四輪車両が少ない地方都市では、近場を行き来する主要な交通手段だ。なお、バイクと自転車は乗客を運んではならない。

在宅勤務を導入していた国家公務員とアディスアベバ市では、新たな業務時間(国家公務員7時30分~15時30分、アディスアベバ市9時30分~17時30分)が定められており、8時~9時の間に始業時間を設定する会社が多い中で、時差出勤に配慮した。

エチオピア国内の感染者確認数は108人(4月19日時点)。国家非常事態の宣言を決めた8日時点の55人から倍増した。

(関隆夫)

(エチオピア)

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