3月の輸出額15.9%減、2009年以来の落ち込み

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月28日

国家統計センサス局(INDEC)は4月22日、アルゼンチンの3月の貿易統計を発表した。輸出は前年同月比15.9%減の43億2,000万ドルとなり、3月単月では2009年以来の落ち込みになった。輸入も19.7%減の31億7,500万ドルと大幅に縮小したことから、貿易収支は11億4,500万ドルの黒字だった。第1四半期(1~3月)では、輸出は前年同期比6.8%減の132億ドル、輸入は18.6%の大幅減で99億300万ドル、貿易収支は32億9,700万ドルの黒字となった。

新型コロナウイルス感染拡大によって世界各国の経済活動が鈍化し、アルゼンチンでも3月19日に外出禁止令が発令され国内経済が低迷したことから、3月の輸出入額はともに大幅に減少した(添付資料参照)。農畜産物加工品の輸出は、前年同月比18.2%減少したが、その中で、肉類およびその加工品は8%増加した。そのほか、工業製品、燃料・エネルギーの輸出はそれぞれ20.5%減、35.2%減と大幅に減少した。

輸入については、アルゼンチンでは以前から景気後退が続いていたことも大きな要因だ。2018年、2019年ともにGDPはマイナス成長で内需の縮小傾向が続いており、そこに新型コロナウイルスの影響がもたらした危機が追い打ちをかけることとなった。資本財、中間財、消費財ともにほぼ全ての品目で落ち込んだ。

主要貿易相手国別にみると、3月の対ブラジル輸出が前年同月比16%減、対中国が17.4%減、対米国が34.8%減と大幅に減少した。また、これらの国からの輸入もそれぞれ13.6%減、29.1%減、37.6%減といずれも減少している。対日本では、3月の輸出は2,200万ドルで4.8%増加した。一方の輸入は、4,600万ドルで33.3%減少している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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