タイ投資委員会(BOI)、医療機器などの生産にかかる恩典を拡充

(タイ)

バンコク発

2020年04月20日

タイ投資委員会(BOI)は4月13日、新型コロナウイルス対策として医療分野の新たな投資恩典を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。医療機器や医療用品の需要増に応えるべく、同分野における企業の製品供給と投資を促すことが目的だ。概要は以下のとおり。

(1)医療機器などの製造に、追加で3年間の法人税50%減税

  • 恩典内容:医療機器・部品、医療用品または医療用マスクに使われる不織布、検査キット、医薬品、医薬品有効成分などを製造する場合、通常当該事業に付与される3~8年の法人税免除に加え、3年間法人税を50%減税。
  • 条件:2020年1~6月に申請、12月までに製造を開始し収入を得ること、また2020~2021年の間に、製品の50%以上をタイ国内で販売または寄付すること(注)。

(2)医療機器・部品への製造ライン切り替えにかかる機械輸入税を免除

  • 恩典内容:既存の製造ラインを、医療機器・部品の製造に切り替えた場合、機械輸入税を免除。
  • 条件:2020年9月までにBOIへ申請、年内の当該機械を輸入すること。

(3)医療用品の原材料製造に、法人税免除期間を延長

  • 恩典内容:一部の医療用品の原材料製造にかかる恩典を拡充(例:医療用品または医療用マスクに使われる不織布の製造は、通常3年間法人税が免除されるところ、5年間に拡大)。

なお、本恩典の具体的な申請手続き、条件詳細については、今後公表される布告を確認する必要がある。

(注)4月16日現在、ジェトロがBOIジャパンデスクにヒアリングしたところ、2020年1~6月に申請した事業であれば、新規投資、拡張投資を問わず、かつ申請前に既に製造を開始していても、遡及して恩典対象となる。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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