新型コロナウイルス感染検査で中国企業と大型契約を締結

(サウジアラビア、中国)

リヤド発

2020年04月30日

サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは4月26日付で、国立病院で使用する医薬品や医療機器を独占的に調達するサウジアラビアの国家統合調達会社(NUPCO:National Unified Procurement Company)が、中国バイオ大手のBGI(華大基因)との間で、総額9億9,500万サウジ・リヤル(約278億6,000万円、1リヤル=約28円)に上る新型コロナウイルス感染検査に関する調達契約を締結したことを報じた。

サウジアラビアにとって、中国は輸出・輸入ともに最大の貿易相手国(2018年実績)であるとともに、鉄道や港湾、デジタル通信といったインフラ整備でも大きな存在感を示す経済パートナーだが、新たに医療分野で大型の契約が結ばれた点は注目に値する。

他の現地報道(4月27日付「アラブ・ニュース」)によると、契約期間は8カ月間。国内に6カ所の地域拠点検査センターを新たに設置し(一部は移動型)、中国は500人の専門家と技術者をサウジアラビアに派遣し、検査員の育成にも協力する。また、900万セットの感染検査キットを中国側が提供し、1検査センター当たり1万件の検査(1日当たり)を実施、契約期間中に総人口の40%以上の1,450万人の感染検査を行える計画としている。検査から得られる100万人分のデータ分析を通じて、免疫獲得マップを作成するという内容も含まれる。

3月上旬に国内での新型コロナ感染が確認されて以降、政府は航空便の運航停止や学校・政府機関・オフィスの閉鎖、24時間の外出禁止措置など強力な抑制措置を講じているが、検査を強化するに従い、感染者の数は増え続けている。4月28日には感染者数は2万人を超えた。政府は正確な感染状況を把握するためにも、さらに徹底した検査を行い、ウイルス封じ込めに取り組む覚悟だ。

(庄秀輝)

(サウジアラビア、中国)

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