米CDCがニューヨーク含む北東部3州に国内移動自粛を勧告、首都ワシントンは外出禁止令発令

(米国)

ニューヨーク発

2020年04月01日

米疾病予防管理センター(CDC)は3月28日、新型コロナウイルスの感染者数が約6万人に増加したニューヨーク州のほか、ニュージャージー州、コネチカット州の3州の住民に対し、他州への不要不急の国内旅行を同日から14日間、控えるよう要請した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ただし、食料産業や運送業、医療機関などの必要不可欠な重要インフラ産業に従事する者は対象から除外され、これらの従業員は通常どおり業務を継続する責任があるとしている(注)。

これに先立ち、トランプ米大統領はこれら3州を強制的に隔離する考えを示していたが、ホワイトハウスのコロナウイルス対策のタスクフォースからの提言を受けて、CDCから移動自粛勧告を出すかたちで落ち着いた。

加えて、同大統領は3月29日の記者説明会で、3月16日に発表した感染拡大を抑えるためのガイドライン(2020年3月17日記事参照)の推奨期間を当初予定の3月末から4月30日まで延期すると発表した。

北東部周辺州の動きとして、ジーナ・レモンド・ロードアイランド州知事(民主党)は3月26日、ニューヨーク州からの移動制限に関する知事令に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、今後直近14日間で同州滞在歴のある者に対してロードアイランド州に到着後14日間の自己隔離を強制すると発表した。28日には、同知事令の対象州を米国の全州に広げ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、業務目的以外で入州する者は14日間の自己隔離をしなければならないとした。公衆衛生、公共安全、医療機関の従事者は対象外としている。同州内不動産業者やホテル業界は、テナントやゲストに対しても同命令を適用するよう求められる。

さらに同知事は3月29日、高速道路上のコネチカット州との州境に検問所を設けると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、検問所では他州からの自動車を停車させ、入州者に知事令の内容を確実に認識させるとした。また、連絡先の提供を求め、保険局へ提出するとしている。

首都ワシントンDCでは3月30日、ムリエル・ボウザー市長が外出禁止令を発令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、4月1日正午から有効となる。遠隔では受けられない医療サービスや食料などの確保、政府機能として必要な活動、必要不可欠なビジネスや移動、一部レクリエーション活動を除き、自宅待機を命令した。同命令に違反した場合、5,000ドル以下の罰金や90日以内の禁固の対象となる。

CDCによると、30日までに全米の感染者数は14万904人、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット各州はそれぞれ5万9,219人、1万3,386人、1,993人となっている。

(注)新型コロナウイルスへの対応期間における必要不可欠な重要インフラ産業に関しては、国土安全保障省がガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表している。

(吉田奈津絵)

(米国)

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