輸出企業へ5億豪ドルの新たな融資を提供

オーストラリアのサイモン・バーミンガム貿易・観光・投資相は4月15日、新型コロナウイルスの影響を受けた輸出企業に対して、新たに5億オーストラリア・ドル（約345億円、豪ドル、1豪ドル＝約69円）の融資を行うと発表した。政府の輸出信用機関である輸出金融保険公社が融資制度の運用を担う。

融資の対象は、輸出事業を行っているオーストラリアの企業のうち、年間売上高が25万豪ドル以上かつ輸出実績が2年以上ある企業で、過去2会計年度中に収益性の高い事業を行ったことがあり、新型コロナウイルスの影響によって民間金融機関からの資金調達が困難な企業となる。融資される資金は、25万豪ドルから最大5,000万豪ドルの間で、運転資金や設備投資、オンライン取引を含む海外事業の拡大などに充てることができる。

輸出金融保険公社は、既存の輸出支援の融資メニューも提供している。中小企業輸出ローンは、年間売上高が25万豪ドル以上の企業に対する無担保の低額融資であり、オンラインで申請することができる。

バーミンガム貿易相は、「輸出コストの上昇、サプライチェーンの混乱、市場の喪失などによって、輸出企業は民間金融機関から融資を受けられなくなっている」として、「オーストラリアの輸出企業を支援することによって、雇用の喪失を防ぎ、オーストラリア経済の回復を目指す」と述べた。

（住裕美）