アルゼンチン政府、元利払いの削減含む債務再編案の概要を発表

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月17日

アルベルト・フェルナンデス大統領は4月16日、大統領公邸において、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル副大統領や主要州知事・閣僚らを集め、外貨建て債務の元本および利払いの削減と、返済猶予期間の設定を柱とした債務再編案の概要を発表した。当初は3月中に再編案が公表される予定だったが、約1カ月遅れの発表となった。

正式には4月17日に米国証券取引委員会(SEC)に対して債務再編案が提出される予定。16日、マルティン・グスマン経済相は概要を発表し、元本、利息ともに2022年まで返済猶予期間を設け、元本の5.4%(36億ドル相当)の削減、利払い分の62%(379億ドル相当)の削減が含まれると報告した。2023年からの利率は0.5%から開始し、持続可能なレベルまで引き上げられる予定。今回の提案に対し、民間債権者側に20日の期間が設けられ、民間債権者は同案を受け入れるかどうか決定する。

4月16日付現地「クラリン」紙によると、今回対象になるのは、主に2005年に発行された国債、および2016年以降にドル建てで発行された国債で、合わせて約688億ドルにのぼる。グスマン経済相は、これまで水面下で民間債権者と協議を行ってきたものの合意に至っていないことを踏まえ、「現状アルゼンチンは何も支払えない状況という共通の理解に至っていない」と強調した。

グスマン経済相の発表後、フェルナンデス大統領は「アルゼンチンはバーチャルなデフォルト(債務不履行)に直面している」と警鐘を鳴らしながらも、「新型コロナの影響によってこの課題を後回しにすることなく真摯な姿勢で対応する」と述べた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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