チュニジア、新型コロナウイルス対策として封鎖措置を4月5日から2週間延長

(チュニジア)

パリ発

2020年04月03日

チュニジア厚生省の4月1日の発表によると、新型コロナウイルスの感染者は3月31日時点で423人、死者は12人に達し、感染者は沿岸部の大都市を中心に24県中22県と全国に広がっている。同日に大統領府で招集された国家安全保障理事会では、3月22日~4月4日まで行われている自宅待機、必要最低限の店舗以外の商業活動禁止、学校閉鎖などの封鎖措置(2020年3月24日記事参照)の期限を、4月5日からさらに2週間延長することを決定した。

イリエース・ファハファーハ首相は3月21日、封鎖措置を実施するに当たり、国民の安全と国家経済維持のための25億ディナール(約928億円、1ディナール=約37.1円)の追加予算を発表している。雇用と労働者・公務員の収入保証の側面から、解雇された労働者へのサポートとして3億ディナール、低所得者のための補助金として1億5,000万ディナールの支給、月収が1,000ディナール未満の者に対して6カ月間、銀行ローンの返済の延期を行う。また、封鎖措置により営業できない中小企業、自営業者、自由業に対しては、4月より納税を3カ月延期、第2四半期の社会保障料の支払いを3カ月延期、銀行・金融機関への負債の返済を6カ月延期することなどを決定した。医薬品、食品、石油のストック確保のため5億ディナールの追加予算も決定している。

現地報道によると、チュニス郊外の低所得者、日雇い労働者の多い地区で3月30日、封鎖措置で仕事を失った労働者が数百人、生活苦を訴え、政府が約束した1億5,000万ディナールの補助金の支給を求め、デモを行った。これを受け、国家安全保障理事会の場でカイス・サイード大統領は、決定されている支援政策の全土に渡る速やかな実施を促した。社会問題省は同補助金の支給を3月31日~4月6日に実施すると発表している。

(渡辺智子)

(チュニジア)

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