大統領選と議会選挙を7月5日へ延期

(ドミニカ共和国)

メキシコ発

2020年04月15日

ドミニカ共和国中央選挙委員会(JCE)は4月13日、決議2020年42号を発し、新型コロナウイルスの感染が国内で拡大していることから、5月17日に予定されていた同国の正副大統領および国会議員選挙を7月5日へ延期すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、大統領選挙で獲得票が過半数を超える候補者がいない場合に実施される決選投票は、7月26日に行われることとなった。大統領職の任期は4年で、再選は1度だけ認められている。ダニロ・メディナ大統領は2012年8月に就任し、現在2期目のため、今回の大統領選挙には立候補できない。国会議員選挙では上院32議席と下院190議席の全議席が改選される。

野党のアビナデル候補が優勢

2019年11月6日に実施された大統領選挙の予備選挙において、ゴンサロ・カスティジョ前公共事業通信相が与党・ドミニカ解放党(PLD)内の正式候補者として選出された。野党では、現代革命党(PRM)からルイス・アビナデル氏、国民勢力党(LFP)からフェルナンデス前大統領、国家同盟党(ALPAIS)からギジェルモ・モレノ氏などが選出された。なお、フェルナンデス氏は予備選挙まではドミニカ解放党に所属しており、カスティジョ氏との候補者選挙に敗れた。その後、国民勢力党を立ち上げ、自らが党首となった。

民間調査会社グリーンバーグが3月4日に発表したアンケート結果(2月20~24日に実施)によると、各候補者の支持率はアビナデル氏が52%、カスティジョ氏が24%、フェルナンデス氏が17%だった。また、アビナデル氏とカスティジョ氏が決選投票になった場合にどちらに投票するかという設問では、前者が68%と後者を大きく引き離した。

議会選挙も野党が優勢

現地有力紙「オイ」が2月に公表した国会議員選挙に関するアンケート結果によると、野党の支持者は64%だった。特に18~24歳の若者層の70%は、アビナデル氏が党首である現代革命党に投票すると回答した。なお、現在の上院32議席のうちドミニカ解放党は26議席を占め、現代革命党は1議席のみだ。また下院も190議席のうちドミニカ解放党が106議席、現代革命党は17議席で、与党主導の政治となっている。

(志賀大祐)

(ドミニカ共和国)

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