大蔵・公債省、中小企業の給与支払い支援に910億円の融資枠設定

(コロンビア)

ボゴタ発

2020年04月15日

コロンビア大蔵・公債省は4月12日、中小企業の雇用維持の支援策として、給与支払いのため総額3兆2,500億ペソ(約910億円、1ペソ=約0.028円)のクレジットライン(融資枠)を開設すると発表した。対象となるのは年間売り上げが520億ペソまでの中小企業で、支払い期間は36カ月となる。融資額の90%を国家保証基金(FNG)が債務保証し、手数料の50%を政府が負担する。個人または企業から融資の申し込みを受けた金融機関は、FNGのホームページを通して債務保証を依頼することができ、即日融資を実行できる。

大蔵・公債省はまた、年金基金への保険料支払いを2カ月停止する支援策も打ち出した。現在、企業は労働者の月額給与の16%(負担割合は雇用主12%、労働者4%)を年金基金へ毎月支払うことが義務付けられているが、これを2カ月停止する。

コロンビア商工会議所連盟によると、国内の中小企業数は約160万社。労働者数は557万人に上り、国内労働者数全体の7割から8割を占める。フアン・アルベルト・ロンドニョ大蔵・公債副大臣は、これらの中小企業のうち、現在実施中の強制自宅隔離期間中にテレワークを導入できているのは28%だけと述べ、救済策の重要性を強調した。さらに、月額給与が1,000万ペソ以上の政府職員を対象に新たな課税制度を導入することも発表。収入の4~15%を給与から引き落とし、新型コロナウイルスの影響で失業した人への支援プログラムへ充てる。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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