連邦参事会(内閣)が部分的休業に対する給付の要件を緩和、航空会社の支援策策定を指示

(スイス)

ジュネーブ発

2020年04月13日

連邦参事会(内閣)は4月8日、3月20日および25日に発表していた部分的休業(chômage partiel)に対する給付の要件を緩和すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本措置は2020年3月1日にさかのぼって施行される。

  • 約20万人に上る短期契約労働者の解雇を防ぐため、これまで雇用率が20%以上変動した場合は対象とならなかった短期契約労働者も、6カ月以上同一企業に在籍していた場合には対象とする。
  • 医療、農業、物流分野などの現在人材を急募している部門への臨時就業を促進すべく、給付額の算出にあたり、部分的休業期間中の臨時就業による収入額を考慮しなくて良いこととする(2020年4月9日施行)。
  • これまで休業時間の割合が85%以上に及ぶ場合には給付対象となる就業計画の最長期間を4カ月とする制限を、現在の封じ込め措置の終了時期が見えないため廃止する。
  • 州の担当機関における支払い事務簡素化の観点から、手続きを個人単位ではなく事業所単位で行う。

また連邦参事会は同日、スイス国内における就航便が95%減便するなど、スイスの航空業界が厳しい運営状況になっていることから、財務省、経済・教育・研究省、環境・運輸・エネルギー・通信省に対し支援策の検討を指示した。3省は、航空会社の手元資金確保のために必要な支援策と、国内空港インフラの継続的な機能維持のための措置とそれに必要な法制度の案をとりまとめ4月末までに提出することが求められている。

なお、上述の支援は連邦政府からの保証のかたちをとるため、以下の厳格な条件を課すとした。

  • 事業者が資金調達の可能性について全ての手段を講じたことを証明する必要がある
  • 将来的に得られる利益の分配にあたって、連邦政府の保証つきローンの返済を最優先とすること(グループ内配当等より優先)
  • 連邦政府が受け取る利子には市中金利を確保すること
  • 親会社にも相応のコミットメントが求められる。また、政府保証により得られた資金はスイスの航空インフラの機能維持のためのみに利用すること(海外の親会社への流出は禁止)
  • スイスの国際路線の長期的な維持を保証することが期待される

(和田恭)

(スイス)

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