新型コロナウイルス経済対策に2,000億レアル

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年04月08日

ブラジル政府は新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、健康と雇用の維持を目的とした約2,000億レアル(約4兆円、1レアル=約20円)の経済対策を進めている。

最も額が大きいものでは、諸条件を満たすインフォーマルセクターの労働者、個人零細事業主などを対象に、3カ月間に渡り1人当たり月額600レアルを支給する救済策が4月2日付の法令13.982号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで承認され、即日施行された。1世帯当たり2人までが受給対象となる。一人親世帯は1,200レアル。なお、ジャイール・ボルソナーロ大統領は、4月1日に行ったスピーチの中で、同支援を980億レアルまで拡大し、「最大で人口の約4分の1にあたる5,400万人が対象になる」と述べている。これを踏まえ、市民省を主体とした982億レアルの緊急融資を可能にする4月2日付大統領暫定措置令937号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、即日施行した。

その他、次の3つの大統領暫定措置令がいずれも交付日と同日で施行された。

  1. 政府の雇用・所得保全緊急給付金による補填を前提に、企業が従業員の労働時間短縮と給与削減を可能にする政策(510億レアル)(4月1日付大統領暫定措置令936号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. 中小企業が従業員に給与を支払うための資金調達を目的としたクレジット供与(340億レアル)(4月3日付大統領暫定措置令944号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  3. 政府が州の州政府参加基金(FPE)や自治体の自治体参加基金(FPM)に160億レアルの資金的支援を提供し、州や自治体がそれを新型コロナウイルス対策で発生する財政的困難を解決する資金として活用できる(4月2日付大統領暫定措置令938号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

1.は、大統領暫定措置令927号で批判が強く、条項から削除された「雇用停止期間を最長4カ月可能にする」という内容に代わって労働法を柔軟化するものとみられる。2.は3月27日に政府が中銀やブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)と共に発表した雇用保障クレジットラインのことであり、3.はボルソナーロ大統領自身が3月下旬に各州知事と意見交換を行い、州や自治体への協力策として打ち出した内容の1つだ。

(古木勇生)

(ブラジル)

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