外出禁止は5月10日まで延長、人口密度の低い地域は一部緩和
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年04月30日
アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は4月25日、3月20日から導入している公衆衛生上の緊急事態による外出禁止令を再び延長することを発表した。外出禁止令によって人との接触が減り、発令時には新型コロナウイルス感染者から人への感染は平均で3.3日だったが、現在は平均17.1日になったと一定の成果も説明した。なお、医療設備も整ったことから、人口50万人を1つの目安として人口の少ない地域については、外出禁止令の緩和措置を認め、その決定権を各州知事に委ねる。全人口の約半分の移動を許可する。
外出禁止令の延長は、4月26日付官報に掲載された政令408/2020号に基づき、翌27日から5月10日まで。政令の主な内容は以下のとおり。
- 各州知事が外出禁止令を緩和するためには、定められた幾つかの条件を満たし、事前に連邦保健省の承認を得る必要がある。
- 人口50万人を1つの目安として、人口の多い都市圏は緩和措置の対象とならない。
- 次の活動やサービスは緩和措置の対象とならない。学校、人が集うような娯楽・スポーツ・宗教・文化的イベント、ショッピングセンター、映画館、劇場、文化センター、図書館、博物館、飲食店、ジム、公園・広場、観光業、他都市や他国をつなぐ交通機関。
- 1日1時間、自宅から半径500メートル、気分転換を目的とした外出を許可する。
2.については、対象となる自治体は、ブエノスアイレス市、大ブエノスアイレス圏、大コルドバ圏、サンタフェ市など。4.については、ブエノスアイレス市、ブエノスアイレス州、コルドバ州、サンタフェ州政府などでは同措置は許可しないと発表。感染率の低い地域でのみ、その可否が検討される。
4月27日午前時点のアルゼンチンの新型コロナウイルス感染者数は3,892人、うち死者は192人。ブエノスアイレス市政府のディエゴ・サンティーリ副市長はインタビューで「(市内では)ここ5日間の感染者数が増加している」とし、市が導入できる緩和措置はその都度、厳密に検討する必要性があると主張した。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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