新型コロナウイルスに伴う制限措置を延長、経済への打撃も

(ギリシャ)

ミラノ発

2020年04月24日

ギリシャ市民保護省ハルダリアス政務官は4月4日、新型コロナウイルス感染予防のため、3月23日から実施されていた外出禁止措置を4月27日午前6時まで延長すると発表した。また、3月18日から実施されていた食料品店やガソリンスタンドの一部などを除く小売店の営業停止期間も、同じく4月27日まで延長されることとなった。また、ギリシャ正教の教会における礼拝も禁止され、イースター期間には国民の波紋を呼んだ。

新型コロナウイルスの影響により、ギリシャ経済は低迷している。IMFが発表した2020年4月の世界経済見通しによると、2020年のギリシャの実質GDPはマイナス10%、失業率は22.3%と予測。欧州諸国の中でもとりわけ深刻な数字となっている。また、2020年3月の失業率は前年同期比で3.3ポイント増、イオニアおよびエーゲ海南部の観光地では13.9ポイント増となった。ギリシャ財務省は3月30日、新型コロナウイルス対策で低迷した国内経済修復措置(注)として、総額68億ユーロ(GDPの3.5%に相当)を追加予算として計上する事を発表しており、効果が注目される。

なお、4月22日には20億ユーロに上る7年物国債が発行(利回り2%)されており、現在の状況のもと経済危機からの復興がいかに進行するかにも引き続き注視する必要がある。

爆発的な感染拡大はみられず

欧州疾病予防管理センター(ECDC)の4月22日付の統計データによると、ギリシャにおける感染者数は人口10万人当たり22.4人、そのうち死者は1.1人と感染率、死亡率共に他の欧州諸国と比べると低い数値を保っている。

ギリシャ保健省は4月22日、これまでに実施された新型コロナウイルスの検査件数は5万6,944件、そのうち現時点で陽性結果が出た患者数は2,408人、死者は121人と公式発表した。同日時点での新規感染者数は7人となっており、国家機能の正常化もそう遠くはないと期待が高まっている。

(注)仕事の一時休業等を余儀なくされた170万人の就労者に対し、健康保険の45日分の支払い免除のほか、800ユーロが支給されるなどの支援策を含む。

(井上友里、山崎杏奈)

(ギリシャ)

ビジネス短信 4433e6167f636e7d