中央準備銀行、政策金利を史上最低の0.25%に引き下げ

(ペルー)

リマ発

2020年04月13日

ペルー中央準備銀行(BCR)は4月9日、政策金利を現行の1.25%から0.25%に引き下げると発表した。BCRはこれに先立つ3月19日に臨時会合を開催し、政策金利を2.25%から1.25%に引き下げていた。新型コロナウイルスの経済への影響を懸念して、わずか1カ月で2.0ベーシスポイントの利下げに踏み切った格好だ。0.25%の政策金利は史上最低水準になる。今回の決定について、BCRは次の要因を挙げている。

  1. 2020年の年間インフレ率の見通しが目標値を下回る見通しであることに加えて、大幅な内需の低迷を考慮した。
  2. 3月のインフレ率が0.65%で、直近の12カ月間累計のインフレ率が、2月の1.9%から3月には1.8%に低下した。また、食品とエネルギーを除く3月のインフレ率は0.42%で、同様に直近12ヵ月間累計のインフレ率が、2月の2.3%から3月には1.7%に低下した。
  3. 3月時点の今後12カ月間の累計インフレ率の見通しは2.0%にとどまっている。
  4. 経済活動が一時的に厳しい状況にあり、需要不足と供給不足が同時に生じている。
  5. リスクが世界規模で顕著化しており、上半期に景気後退の可能性が生じている。

BCRは金融システムの崩壊を防ぐためにあらゆる施策を講じるとしており、その一環として、3月から4月にかけては、自国通貨や証券のレポ取引などを通じて流動性の供給を図っているとしている。次回のBCR金融政策決定会合は5月7日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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