新型コロナウイルス感染拡大阻止に向けた制限措置、6カ月続く見通し

(オーストラリア)

シドニー発

2020年04月06日

オーストラリアのスコット・モリソン首相は4月2日、地元テレビ局のインタビューで、これまでに実施している措置について感染拡大のペースを遅らせる効果が出ているが、制限の緩和により再拡大する恐れがあることから現在の措置を6カ月間継続することが妥当だとする考えを示した。また、感染拡大前のような通常の状態に戻るためには、新型コロナウイルスのワクチンが必要となると述べた。

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、ワクチンの初期段階の実験を開始しており、ワクチン開発に向けた取り組みが進められている。また、メルボルンにあるマードック小児研究所は、結核を予防するBCGワクチンが症状緩和に効果的かどうかを確認する臨床実験を開始している。

各州ではさらに厳しい州境制限を実施へ

クイーンズランド州では、3月25日より他州からの入境者への14日間の自己隔離措置をとっていたが、多数の入境者が続いたことを受けて、州内の居住者および許可された者以外の入境を認めない措置を4月3日より開始した。また、西オーストラリア州も同様の措置を4月5日より開始する。

なお、これらの制限にあたり、州間移動で生活、仕事に従事している鉱業関係者(FIFO)については、クイーンズランド州は入境および自己隔離措置免除を認めているが、西オーストラリア州は入境を認めるものの2週間の自己隔離措置を義務付けており、その活動への影響が懸念される。

オーストラリアでは、4月3日午前6時00分時点で、27万件を超える検査が実施されているが、新型コロナウイルス感染者が5,200人を超え、23人が死亡している。(オーストラリア保健省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

現在の州別感染者数は、4月3日午前11時現在、以下のとおり。

  • ニューサウスウェールズ州2,389人
  • ビクトリア州1,036人
  • クイーンズランド州835人
  • 西オーストラリア州400人
  • 南オーストラリア州385人
  • 首都特別地域88人
  • タスマニア州71人
  • 北部準州20人

合計5,224人

(遠藤泰平)

(オーストラリア)

ビジネス短信 0e57367f64cc38f7