外出禁止令の例外措置を拡大、緩和の方向を模索

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月22日

アルゼンチン政府は、4月18日付行政措置524/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、3月20日から導入している公衆衛生上の緊急事態による外出禁止令について、その対象外とする新たな分野やサービスを追加した。外出禁止令が施行されて1カ月が経過し、経済活動への影響も少なからず懸念される中、政府としては、可能な範囲で経済活動の緩和へと、かじを切っている。追加項目は以下のとおり。

  • 公共料金、その他サービス料、税金などを徴収する施設。
  • 各州、ブエノスアイレス市、地方自治体における税収局。ただし、事前予約制に限る。
  • 国および各州の登記所。ただし、事前予約制に限る。
  • 小売業による、eコマース、電話など顧客との対面を必要としない方式での商品販売。ただし、宅配に限る。
  • 予防および慢性疾患治療のための医療・歯科診察。ただし、事前予約制に限る。
  • 臨床検査・画像診断を行う医療施設。ただし、事前予約制に限る。
  • 眼鏡販売店。ただし、事前予約制に限る。
  • 保険会社による損害調査および保険金支払いなど。ただし、電子申請手続きに限る。
  • ジェンダーに基づく暴力の被害者を支援する施設。
  • 工業生産・開発省の事前承認を取得した輸出向け産業。
  • 工業生産・開発省の事前承認を取得した特定のみの工業活動。

上記は、国内21州およびブエノスアイレス市における措置。トゥクマン州およびサンティアゴ・デル・エステーロ州の2州は対象外。

銀行サービスは、引き続き事前予約制での対応。これまでは対応可能な取引が限定されていたが、4月20日から、口座からの米国ドル引き出しや金額の大きい取引は銀行との事前相談を行うことができるようになるなど、対応可能な取引が一部緩和された。

外出禁止令が施行されて1カ月が経過し、新型コロナ感染者数が比較的抑えられているアルゼンチンだが、経済面への影響を懸念する世論も増えつつある。現地調査会社シノプシスによると、新型コロナと経済情勢のどちらを心配するかとの設問に対して、3月下旬では新型コロナが79.5%、経済情勢が16.2%だったのが、4月中旬にはそれぞれ66.5%(13.0ポイント減)、27.1%(10.9ポイント増)と、経済情勢への懸念が増している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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