UAEが夜間外出禁止令を2週間延長、ドバイではロックダウン開始

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年04月06日

アラブ首長国連邦(UAE)政府は4月4日、3月26日から実施していた午後8時から翌日午前6時までの夜間外出禁止令(2020年3月27日記事参照)をさらに2週間延長することを発表した。さらに、ドバイ政府では、外出禁止措置を24時間に拡大すると発表し、事実上のロックダウン(都市封鎖)が開始された。これまで一定割合の社員の出勤は認められていたが、今後は特定業種を除き、全社員を在宅勤務とする必要に迫られることとなり、経済活動へのさらなる影響は避けられない。

外出禁止令の期間中、食品の買い出しや緊急の場合などを除く外出は引き続き禁止され、操業可能な職種は食品関連やデリバリー、通信や医療など社会生活の維持に必要な一部の産業に絞られた。市民の移動に際しては、食品買い出しであっても事前にオンラインで外出先や時間、自動車のプレートナンバーを登録し、許可を取得することが必須となる。警察の見回りや市中の監視カメラで捕捉され、違反した場合は罰金などの罰則が適用される。公共交通機関は、タクシーと短距離バスは営業を続けるが、首長国間を結ぶバスとドバイ・メトロは運休となる。

UAE政府は4月4日時点の新型コロナウイルス新規感染者数がこれまでで最多の241人に上ったと発表。3月31日時点では664人だった感染者数が、この4日間で急増し1,505人となった(4月4日付「ガルフ・ニュース」紙)。これ以上の感染拡大を防ぐため、ドバイ政府はさらに厳しい措置に踏み切った格好だ。国内の道路や公共施設を中心に、消毒液を用いて噴射器やドローンを使った重点的な消毒作業が行われる。

湾岸協力会議(GCC)諸国では、外出禁止令が国単位や都市単位で発令されている。UAEに先駆け、クウェートとサウジアラビアがそれぞれ3月22日、23日から夜間外出禁止を開始した。また、感染の拡大が懸念される都市の一部地区を封鎖する措置も目立ってきている。カタールでは3月17日から多くの移民労働者が居住するインダストリアル・エリアの北側部分を、ドバイでは31日から人口が密集するアル・ラス地区を封鎖した。これまでリヤドやジッダ、ダンマン、メッカ、マディーナなどで外出制限措置を行ってきたサウジアラビアでは、4月4日にはジッダの7地区を封鎖すると発表した。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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