ノーボスチ通信の生活の質ランキング、極東の最上位はカムチャツカ地方の30位

(ロシア)

モスクワ発

2020年03月02日

ロシアの主要メディアの1つノーボスチ通信が2月17日、2019年の生活の質に関するロシア連邦構成体ランキングを発表した。上位3位は2018年から引き続きモスクワ市、サンクトペテルブルク市、モスクワ州となった。10位以内では、2018年に9位だったリペツク州が11位に落ち、代わってレニングラード州が11位から8位に上がった以外はほとんど変わらなかった(表参照)。

表 連邦構成体別生活の質ランキング

極東連邦管区のうち順位が最も高かったのは、カムチャツカ地方で30位(49.65点)だった。同地方は住民1人当たりの預金額、就業率、高等専門教育進学率、自動車道舗装率、安全な飲用水の普及率などで連邦構成体の上位10位以内に入った。

サハリン州は2018年の46位から34位に上昇した。所得水準の向上、低所得者人口比率の減少、犯罪率の減少、失業率の低下が順位上昇に貢献した。外来診療所の収容能力が増加し、死亡率が低下したことも寄与した。

マガダン州は、死亡率と乳児死亡率の上昇、人口の減少、交通事故率の増加、投資の減少により、前年の35位から50位に順位を落とした。一方、失業率や所得水準、低所得者人口比率の面で改善がみられた。アムール州も前年の53位から67位に下落した。交通事故数と乳児死亡率の増加や人口減少、外来診療所の収容能力の悪化、医師の不足に影響した。同州では低所得者人口比率の減少や投資の増加がみられた。

ブリヤート共和国、ザバイカル地方、ユダヤ自治州は2018年、2019年ともに低位となった。所得水準が低く、失業率が高いため、社会的・経済的発展水準が他の連邦構成体と比べて低いことが要因とされた。

総合順位付けは、統計局や保健省、財務省、中央銀行などが公表している統計をもとに、11の調査項目(住民の収入水準、雇用・労働市場、住宅環境、生活上の安全、人口動向、環境と気候条件、住民の健康と教育水準、社会インフラの整備状況、経済発展の水準、小規模ビジネスの発展水準、輸送インフラの整備状況)、70の評価基準に基づいて行われた。各連邦構成体が獲得した評価ポイントの平均値は46.4で、最低は17.5のシベリア地域にあるトィバ共和国だった。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア)

ビジネス短信 ff1fcd7e834b1eea