ポーランド中央銀行、政策金利を1.0%に切り下げ

(ポーランド)

ワルシャワ発

2020年03月19日

新型コロナウイルス感染拡大およびそれに伴う経済活動の鈍化を受け、ポーランド国立銀行(NBP)は3月17日、政策金利を3月18日から1.5%から1.0%に引き下げることを発表した。政策金利の引き下げは2015年3月以来5年ぶりとなる。さらに、今回の発表では政策金利の他、以下の金利の変更も発表されている。

  • ロンバートレート(債権担保貸付金利):1.5%
  • 預金金利:0.5%
  • 再割引利率:1.05%
  • 公定歩合:1.1%

NBPは、ポーランドの2月の物価上昇(インフレ)率が前年同月比4.7%増であったが、今回の新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞により、3月にはインフレ率が低下し、NBPのインフレ率の目標を下回ることが予想されたため、金利の引き下げを決定したとしている。

また、NBPは、取引市場でポーランド国債を購入することによって銀行の流動性を支援し、商業銀行がポーランドの企業などに行った融資をより低金利で借り換えすることも実施していくと発表した。

NBPの金融政策審議会は、上述の措置により、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済へのマイナス影響の緩和、国内経済活動やインフレ率の回復が見込まれるとしている。

オランダに本社を置く金融機関INGグループは、融資の借り換えについて、企業が資金調達をしやすい環境を整備することで労働者の一時的なものを含む解雇防止に貢献し、新型コロナウイルス感染拡大による経済の減速を和らげることになると予測している。

ポーランドでは3月16日に「感染脅威事態」が出され、外国人の入国が原則禁止になったほか、ショッピングセンターの営業が制限されたり、屋内外問わず50人以上の集会が原則禁止されたりするなど、消費をはじめとした経済活動への影響が懸念されている(2020年3月16日記事参照)。

(楢橋広基)

(ポーランド)

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