アルゼンチンの新型コロナウイルス感染確認は8件に、いずれも欧州からの帰国者

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年03月12日

アルゼンチン保健省は3月5日、イタリアから3月1日に帰国した23歳の男性が2件目の新型コロナウイルス感染者となり、3月6日には、新たに6件の感染が確認され、同日時点で国内における感染確認は合計8件となったと発表した。

新たに確認された6件のうち、4件はブエノスアイレス市在住の44歳、46歳、67歳の男性と72歳の女性。残り2件は、ブエノスアイレス州在住の63歳の女性とコルドバ州在住の57歳男性と確認された。いずれも欧州からの帰国者で、同省は全て「輸入された感染」だと説明した。

保健省は、3月5日以降、連日ウェブサイト上で、最新情報を掲載している(同省のReporte Diario外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照)。国民に対し、発熱、せきなどの呼吸器症状、喉の痛み、呼吸困難の症状が表れたり、感染例の多い地域への渡航歴、感染者との接触歴などがあった場合、直ちに医療機関に相談するよう促している。

3月5日付「クロニスタ」紙によると、アルゼンチン航空は、3月中(12日、16日、19日、26日、28日、30日)のローマとの直行便計12便のキャンセルを発表した。今後は、暫定的に週3日の運航を行う方針が説明された。

3月4日付「インフォバエ」紙では、イタリアやスペインなど欧州での感染拡大に加えて、国内で初の感染確認に対する懸念が広まり、消毒用アルコールジェルやマスクの需要が急増し、不足もみられるという。また、薬局などではマスクの価格が5倍に高騰したケースもあったようだ。

保健省は、新型コロナウイルス感染への懸念だけでなく、国内でのデング熱や麻疹の感染悪化に対する注意も呼び掛けている。デング熱は、デングウイルスを持つ蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)に刺されることによって感染し、現在、アルゼンチン国内では748人が感染、2019年8月から3人の死亡も確認されている。さらに、麻疹の感染者は、同じく2019年8月から156人に上り、1998年以来初となる死亡者も確認された。ヒネス・ゴンサレス・ガルシア保健相は「デング熱や麻疹の方が脅威だ」と、国内で新型コロナウイルス感染が確認される以前の2月20日に発言していた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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