メキシコで初の新型コロナウイルス感染例を確認

(メキシコ)

メキシコ発

2020年03月03日

メキシコ保健省のウゴ・ロペス・ガテル予防普及担当次官は2月28日の早朝会見で、27日にメキシコで初めて新型コロナウイルスの感染例が2件確認されたことを発表した。1人はメキシコ市在住の35歳男性で、2月14~22日にイタリアを訪問し、23日に発症した。国立呼吸器感染症研究所(INER)において2度の検査を実施し、2度とも陽性だった。現在は政府指定病院に入院中だ。もう1人はイダルゴ州在住の41歳男性で、2月16~21日にイタリアを訪問した。旅行中に前者の男性と接触歴があった。現在はシナロア州のホテルで外部との接触がないような措置が取られている。なお、ロペス・ガテル次官によると、両者とも症状は軽度とのことだ。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、同会見で「新型コロナウイルスへの対策として、専門医と受け入れ施設の準備が整っており、対策は講じている」と述べ、国民へ冷静な対応を呼び掛けた。

現時点でメキシコ人と外国人の出入国制限なし

保健省は、世界保健機関(WHO)のガイドラインにのっとり、ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに新型コロナウイルスへの対応を発表している。特徴的な症状を伝えるとともに、予防方法や衛生管理方法について詳しく解説がされている。また、感染例が多い国・地域へに関して同省は、中国、香港、韓国、日本、シンガポール、イタリア、イランを挙げている。メキシコ人の渡航制限は設けていないが、渡航延期を推奨している。なお、連邦政府としては、日本人を含めた外国人の入国を禁止していないものの、メキシコで有数のリゾート地であるキンタナロー州コスメル島に到着予定だったクルーズ船に感染者が乗船している可能性があるとして、州知事が着岸を拒否した。

(志賀大祐)

(メキシコ)

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