初の新型コロナウイルス感染者を確認、全国緊急事態宣言発令

(ボリビア)

リマ発

2020年03月12日

アニーバル・クルス保健相は、3月10日の国民に向けた記者会見で、ボリビア国内において新型コロナウイルス感染者2名が確認されたと発表した。感染者は、ボリビア西部のオルーロ県と、東部のサンタクルス県における共に60代の女性で、同国における初めての感染事例となる。また、2名とも直近でイタリアへの渡航歴が確認されており、帰国時には症状が無かったがその後発症し、自ら医療機関に出向いたところ検査で陽性と判明した。クルス保健相は、それぞれの地域の保健局と連携して、更なる感染の予防に取り組むとしており、国民に冷静な対応と協力を求めた。また、同相は改めて1月にWHOによる緊急事態宣言が発令された直後から全国各地における対策チームの配置を行っており、加えて空港、ホテルや各種観光サービス拠点における検疫も実施してきたとしている。

なお、3月11日には、イェルコ・ヌニェス内務相が、全国緊急事態宣言を発令し、コロナウイルス対策のための各種予算措置を講じるとした。また、全ての感染国からの渡航者に対しては、自主的に感染予防のための14日間の自宅等での待機を要請している。一方で、5月には昨年無効化された大統領選が改めて実施される予定であり、感染拡大の場合各党の選挙キャンペーンへの影響も懸念される。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

ビジネス短信 dbaae4dfa28a2e4d