ECLAC、新型コロナウイルスにより中南米の経済成長率を下方修正

(中南米)

米州課

2020年03月27日

米国のシンクタンクであるインター・アメリカン・ダイアログは3月19日、「新型コロナウイルスが中南米経済におよぼす影響」と題したテレカンファレンスを開催した。カンファレンスに参加した国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)のアリシア・バルセナ事務局長は、世界的な感染拡大は中南米経済に甚大な影響を与える可能性があるとの見方を示した。

バルセナ事務局長は、今回の影響は2008~2009年に起こったリーマン・ショックによる世界規模の金融危機よりも深刻だとした。ECLACは2019年12月に2020年の中南米地域全体のGDP成長率は1.3%という予測を発表していたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、楽観的な見方をしてもマイナス1.8%に修正する必要があるとした。また、域内(全人口は約6億2,000万人)の貧困層も現在の1億8,500万人から2億2,000万人程度まで増加するとの予測をした。さらに、中南米域内から主に中国向けの輸出が減少することに加え、中国から部品・中間財を多く輸入するメキシコやブラジルではサプライチェーンが遮断され、国内の製造業の低迷が懸念されるとした。また、資源輸出への依存度が高い南米の国々にとっては、コモディティー価格の下落が深刻であることや、通貨安から金融商品の需要が低下していることについても指摘した。

同テレカンファレンスにもう1人のスピーカーとして参加した、米国のシンクタンクであるブルッキングス研究所の非常勤シニアフェローであるサンティアゴ・レヴィ氏は、2008~2009年の金融危機との比較について説明した。当時は金融市場の崩壊と為替変動で中南米経済にとっては観光と輸出産業への影響が大きかったが、今回はそれらに加えて内需への打撃が大きく、またこの危機がいつまで続くか分からないという不透明感の存在がより深刻だと述べた。

バルセナ事務局長は最後に、この危機を乗り越えるためには国際的に協力していくことは不可欠であるため、より一層各国が協調していく必要を訴えた。

(佐藤輝美)

(中南米)

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