トランプ大統領と会談した伯大統領府局長が新型コロナウイルスに感染

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2020年03月13日

ブラジル政府は3月12日、ファビオ・ワジンガルテン大統領府広報局長が新型コロナウイルスに感染したと発表した。同局長は2度目の検査でも陽性反応となり自宅隔離となった。また同氏は3月7~10日に米国フロリダ州を公式訪問したボルソナーロ大統領に同行していた。大統領の米国訪問には、ミシェリ・ボルソナーロ大統領夫人、息子のエドアルド・ボルソナーロ連邦下院議員、エルネスト・アラウージョ外務相、フェルナンド・アセベド・シルバ国防相らも同行していた。

ボルロナーロ大統領および一行は3月7日、フロリダ州パームビーチのトランプ大統領所有別荘マール・ア・ラーゴでトランプ大統領と夕食を交えた会談を行った。ワジンガルテン局長は、トランプ大統領の隣に立ち記念撮影している。

大統領府および大統領府の医療チームは、ボルソナーロ大統領およびすべての同行者、大統領府関係スタッフを対象に感染予防措置として検体を採取した。大統領は12日、ブラジル東北部モソロ市訪問をキャンセルし、大統領府公邸に滞在している。また、ワシントンに滞在中だったアラウージョ外相も急遽帰国した。検査結果は13日金曜日に判明する見込みだ。

ブラジル政府は12日、米国政府にワジンガルテン局長が新型コロナウイルスに感染したことを通知。12日付当地「G1」紙によると、トランプ大統領は、ボルソナーロ大統領自身も検疫対象になった事に対して「心配はしていない」とコメントしている。

一連の報道およびブラジルを含む世界的な新型コロナウイルス感染拡大への影響を懸念して、サンパウロ証券取引所の株式取引は大荒れの展開となった。12日は、急速に株価が下落したことから、2度に渡り強制的に取り引きが中断された。最終的に同株式指数(IBOVESPA)は前日比14.78%下落した、これは、ロシア通貨危機の影響で15.82%下落した98年9月10日以来22年ぶりの下落幅となった。

現地通貨レアルの対ドルレートも取引開始直後、前日比6%安の1ドル5.02レアルの過去最低水準まで急落。中銀介入により前日比1.41%安い4.78レアルで取引を終えた。

(大久保敦)

(ブラジル、米国)

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