ウクライナ、外国人の入国禁止と国際定期旅客便の停止を決定

(ウクライナ)

欧州ロシアCIS課

2020年03月17日

ウクライナ政府は3月14日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国境通過を一時的に制限する決定を採択した。3月16日から外国人と無国籍者の入国を禁止し、3月17日から航空、鉄道、バスなどの国際定期旅客便のための国境検問所を一時的に封鎖する。いずれの措置も4月3日まで行われる。ただし、ウクライナの長期および一時滞在許可を保有している者、外務省の個別決定にて、外交代表団、領事館、国際機関の代表部などの許可を得て勤務する者は入国禁止の対象外となる。

また、ドミトロ・ラズムコウ最高会議議長は、ウクライナのニュース番組「ニュースワン」(3月13日)にて、3月17日からすべての国際定期航空便を停止すると述べている。

国家安全保障防衛会議は国外に滞在するウクライナ国民に対し、17日までに帰国するよう呼びかけた。政府は、スロベニアによるイタリアとの国境閉鎖により立ち往生していたウクライナ国民の帰国のため、15日にチャーター便を運行した。帰国後の検査の結果、全員が陰性で、14日間の自宅待機となった。

3月15日、イリヤ・イェメツ保健相は緊急演説を行い、新型コロナウイルス拡大防止のため、a.飲食店とショッピングモールの閉鎖、b.薬局と食料品店のみの営業、c.国内の移動制限、d.在宅勤務の推奨、e.公共交通機関の運行体制の見直し、f.集会は10人までに制限、などの措置をとる必要性に言及した。

ウクライナでは、3月13日に初の死者(71歳、女性)が確認されている。国内の感染者数は、3月15日時点で3人(ウクライナ保健省3月15日発表)。

(加峯あゆみ)

(ウクライナ)

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