米ニューヨーク州が500人以上の集会を制限、市も非常事態宣言

米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は3月12日、新型コロナウイルスの拡散を受けて、当面の間、州内で500人以上の集会を制限すると発表した。また、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は同日、市としての非常事態を宣言した。

ブロードウェイや文化施設も閉鎖

クオモ知事は500人以上の集会規制を3月13日の午後5時から発動するとともに、収容人数が500人以下の施設については、法的な収容制限人数を半分にするよう指示した。また、ブロードウェイの劇場については3月12日の午後5時以降、本規制を導入するとした。知事の発表を受けて、ブロードウェイの劇場が加盟するブロードウェイ・リーグは同日、4月12日まで公演を停止すると発表した。メトロポリタン美術館やカーネギー・ホールといった文化施設も、3月13日以降閉鎖するとしている。

米国内ではこのほか、プロや大学のスポーツリーグもシーズンの中断や開幕の延期を相次いで発表しており、全米で大人数が集まる催しを制限する動きが広がっている。国内での感染者拡大を受けて、同様の措置が全米で広がる可能性がある。

主要スポーツリーグのシーズン中断・開幕延期状況は以下の通り。

• NBA（バスケットボール）：3月11日以降、当面シーズンを中断
• NHL（アイスホッケー）：3月12日以降、シーズンを中断
• MLB（野球）：3月26日に予定されていた2020年シーズンの開幕を少なくとも2週間延期
• MLS（サッカー）：3月12日以降、シーズンを30日間中断。
• NCAA（大学スポーツリーグ）：男女バスケットボールのトーナメントを中止。冬・春の残りの決勝戦も中止。
• NFL（アメフト）：9月開始の2020～2021シーズンは現時点で当初どおり開催予定。3月29日～4月1日で予定されていたリーグの年次総会は中止。

市も非常事態を宣言

デブラシオ・ニューヨーク市長は3月12日の記者会見で、市内での感染者が95人に増加したことを受けて、非常事態を宣言した。州政府とも協力し、感染拡大の阻止に取り組むとしている。同宣言では市の関連当局に対して、市民の安全と健康を守るための必要なあらゆる措置を取るよう指示している。効力は30日を超えないものとし、必要であれば期限を延ばす発令を出すとしている。

ニューヨーク州の発表によると、3月12日時点での同州における新型コロナウイルスの感染者数は325人、うちニューヨーク市は95人となっている。

（磯部真一）