米西海岸の各地で集会の禁止を命じる動きが相次ぐ

(米国)

サンフランシスコ発

2020年03月17日

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国西部の各地方政府が集会の禁止を命じる動きが相次いでいる。カリフォルニア州サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長は3月13日、新型コロナウイルスの地域内での感染拡大を遅らせるため、サンフランシスコ周辺の6郡の公衆衛生局が不要不急の参加者100人以上のイベントの開催禁止を命じたことを発表した。同命令は4月30日まで有効となる。ただし、必要な政府サービスや交通機関、オフィス、ホテル、居住建物、食料品店、病院などには適用されない。同公衆衛生局は既に3月11日に1,000人以上の集会の禁止を命じていた。サンフランシスコ市・郡の新型コロナウイルスの感染者は、3月15日時点で37人となっている。

カリフォルニア州サンタクララ郡でも3月13日、翌14日から同群公衆衛生局が100人を超える規模の公的また私的な集会の禁止を命じた。また、35~100人までの集会も、主催者またはスポンサーが定められた新型コロナウイルス感染予防の措置(注)を実行しない限り禁止される。同命令は4月4日まで有効。1,000人以上の集会については、既に3月11日から禁止されていた。「集会」とは、ホールやスタジアム、アリーナ、大規模な会議室など1つの部屋または空間に、同時に人が集まるイベントと説明されている。空港やショーピングモール、オフィスなどは含まれない。サンタクララ郡では3月15日時点で、114人の新型コロナウイルスの感染者(うち死者2人)が確認されている。

ワシントン州では、ジェイ・インズリー知事が3月11日、同日から3月31日までキング、スノホミッシュ、ピアースの各郡で、250人を超える規模の集会を禁止した。対象となった3郡はワシントン州の中でも特に感染者数が多く、3月15日時点で、キング郡420名(うち死者37人)、スノホミッシュ郡176人(うち死者4人)、ピアース郡29人となっている。

(注)措置の詳細は次のとおり。

  1. 集会が開催されるスペースでは、全ての参加者が他の参加者から少なくとも6フィート(約1.8メートル)離れて立つまたは座ることができるように距離を調整しなければならない。
  2. 消毒液など適切な衛生用製品が、全ての人にいつでも利用可能な状態にしなければならない。
  3. 集会の主催者は、集会が新型コロナウイルスの感染リスクを高めること、また高齢者や持病を持った個人には特に深刻なリスクであり、出席すべきではないことを、少なくとも集会の24時間前までに出席予定者に注意喚起をしなければならない。
  4. 該当する場合、集会の主催者は、参加予定者がイベント開催時まで無料で参加をキャンセルできるようにし、キャンセルの場合には参加費を全額返金しなければならない。
  5. 集会の主催者はイベント前後および開催中に、消毒ワイプまたは他の標準的なクリーナーで会場を清掃しなければならない。

(石橋裕貴)

(米国)

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