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スペイン政府が2,000億ユーロ規模の追加措置、企業資金繰りや雇用維持、敵対的買収に対応

(スペイン)

マドリード発

2020年03月24日

スペイン政府は3月17日の閣議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化を食い止めるため、GDP比約20%規模の総額2,000億ユーロ(うち公的資金は1,170億ユーロ)の緊急支援策を打ち出すことを決定した。ペドロ・サンチェス首相は同日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、スペイン民主化以降、最短にして最大の資金動員を通じて、企業破綻と雇用破壊を防ぎ、ウイルス終息後の経済や生産活動、雇用のV字回復に備えるとして、「誰も見捨てず、あらゆる手段を尽くす」と述べた。これらをとりまとめた緊急措置法(勅令法第8/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が翌18日に施行され、原則1カ月間にわたり適用される(添付資料参照)。

金額的に最も大きい措置は企業の資金繰り支援だ。一時的な景気低迷による企業の支払い能力悪化や倒産を防ぐため、企業・個人事業者の借り換えや新規借り入れを対象に、1,000億ユーロの信用保証枠を設ける。首相は、これによる民間融資の誘発で1,500億~2,000億ユーロの流動性供給を見込むとしている。また、中小輸出企業に20億ユーロの追加保証枠を設ける。

一時帰休(レイオフ)の適用要件を緩和

今回の措置で重要視されるのがレイオフ緩和だ。新型コロナウイルスの影響により事業継続の中断を余儀なくされた企業に対し、通常は災害時にしか適用されない不可抗力事由によるレイオフ適用を認め、承認までの期間を7日に短縮する。対象となる従業員は受給要件を満たしていなくても、レイオフ期間に失業給付を受けることが可能。また、企業に対してはこの期間の社会保険料減免措置があり、2月末時点の従業員数が50人以上の企業は75%、50人未満の企業は100%の減免率となる。

この措置を受けて、イベリア航空が19日、従業員(報道によると1万3,900人)を対象とした3カ月間のレイオフを発表したほか、自動車や小売り、外食大手企業が大規模なレイオフに踏み切ると報じられている。

EU域外からの敵対的買収を規制

スペインの主要株価指数であるIBEX35は2月19日から3月19日の1カ月で36.6%の急落となっており、前述の緊急措置法では、株安に乗じたEU域外からの敵対的買収に対する法規制も一時的に導入された。警戒事態の間は、出資比率が資本金の10%以上、または経営権の掌握につながる域外企業やソブリンファンドからの買収を差し止める。規制対象となるのは、エネルギー、輸送、水、医療、通信、報道、データ、航空宇宙、国防、選挙、金融などの基幹企業だ。また人工知能(AI)やロボット工学、半導体、サイバーセキュリティー、航空宇宙、エネルギー貯蔵、量子、原子力、ナノ、バイオ分野で軍民両用技術を有する企業が含まれる。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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