新型コロナ対策の経済パッケージを発表

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年03月24日

マルティン・グスマン経済相とマティアス・クルファス工業生産・開発相は3月17日、共同記者会見を行い、新型コロナウイルスによるアルゼンチン経済への影響をとどめることを目的とした経済対策を発表した。グスマン経済相は、「生産、雇用、供給を円滑化させるための政策」であることを強調した。

主な経済対策は次のとおり。

  • 危機に直面する産業セクターに対する雇用者拠出金の支払い一時免除
  • 危機に直面する企業に対する従業員の雇用確保を目的とした雇用回復計画(REPRO)の拡大、失業保険の確保
  • 児童手当や妊婦手当に3,100ペソ(約5,270円、1ペソ=約1.7円)の臨時追加を手当
  • 児童手当や年金の自己負担分の支払い期限延長
  • 最低年金受給者に3,000ペソを支給。18,892ペソを下回る受給者は、差額分を支給。
  • インフラ、教育、観光向け予算を40%(1,000億ペソ)増加
  • 住宅の新改築および建設業梃入れを目的としたProcrear(国民融資計画)の再開
  • 食品や医薬品等50カテゴリーの品目に対する30日間の価格上限設定
  • 総額3,500億ペソ(約5,950億円)の企業向け融資
  • 無金利のAhora12プログラム(分割払い)の6ヶ月間延長、オンライン購入の一部適用開始
  • 医療機器輸出に対する事前承認の導入
  • 医療機器およびキットや消耗品の国内生産拡大プログラムの導入
  • 輸出還付金支払いの迅速化

なお、アルゼンチン国内の新型コロナウイルス感染者は増加傾向を続けており、18日には累計感染者数が前日比19人増の97人に達した(累計死亡者数はこのうち3人)。政府は17日、新たな感染者を防ぐ対策として、国内の国内線の運航および長距離列車やバスの運行を、20日から25日までの間停止すると発表した。また、ブエノスアイレス首都圏のバスや鉄道も20日から31日までの間、濃厚接触を避けるため、利用者は着席のみの利用とすると決められた。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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