カナダ、日本などへの渡航注意レベル引き上げ、帰国者の自己経過観察措置も求める
(カナダ)
トロント発
2020年03月04日
カナダ公衆衛生庁は3月2日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、日本への渡航に関する注意喚起レベルを4段階のうちレベル1「通常の警戒を行う」からレベル2「特別の警戒を行う」に引き上げた。レベル2の通知は、当該国・地域の限定的な地域で感染が発生した場合や、新たな疾病が特定された場合、または既存の疾病の発生パターンに変化がある場合に行われる。通知では、特に感染リスクが高い地域として北海道を挙げ、高齢者や免疫力が低下した人、基礎疾患のある者は重症化する危険があるとして、渡航延期を推奨している。
3月3日時点で新型コロナウイルスを理由に同庁の注意喚起レベル3「不要不急の渡航を避ける」に指定されているのは、中国とイタリア北部、イラン、レベル2には日本と韓国、レベル1には香港、シンガポールとなっている。
グローバル連携省も3月2日、外国への渡航注意情報で、韓国に加えて日本をレベル2「高度な注意を払う」の渡航先に指定した。中国、イタリア(北部)、イランについてはレベル3「不要不急の渡航を避ける」に指定している。
公衆衛生庁は外国への旅行者に対し、帰国後14日間に熱やせき、呼吸困難の症状が出ないか自己経過観察を行い、症状が認められる場合には保健当局へ相談するよう要請している。州レベルでも、ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、サスカチュワン、マニトバ、オンタリオ、ケベックの各州で、連邦政府が新型コロナウイルスの影響を受けている地域として公表している国・地域など日本を含む海外からの帰国者に対して、同様の自己経過観察を求めている。
カナダ国内の感染者状況では、3月3日時点で30人の感染が確認されており、オンタリオ州20人、ブリティッシュ・コロンビア州9人、ケベック州1人となっている。
(飯田洋子)
(カナダ)
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