2019年の外国人観光客数、過去最高の826万人、中国が大幅増

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月09日

フィリピン観光省(DOT)は2月17日、2019年の海外からの観光客数が前年の716万8,467人から15.2%増加し、過去最高の826万913人となり、目標としていた820万人を達成したと発表した。

国・地域別の内訳は、首位は前年に引き続き韓国で、観光客数は198万9,322人(前年比22.5%増)で、全体の24.1%を占めた。

2位は前年と同じく中国で、174万3,309人(38.6%増、シェア21.1%)となり、上位10カ国・地域中で最も高い増加率となった。フィリピン政府は2017年、中国からの観光客誘致や投資促進のため、中国人向けに空港到着時にビザを発給する到着ビザの運用を開始した。その後、観光客は順調に増加したが、6カ月まで延長可能な同ビザを悪用し、労働ビザを保有せずに数年にわたってオンラインカジノなどで不法就労する中国人が急増していることが社会問題化し、1月から到着ビザの発給基準を厳格化した。また、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスの状況を受け、政府は2月2日、中国の全地域からの入国を禁止する措置を発表するなど、2020年は中国人観光客の大幅な減少が見込まれる。

3位以下は、米国が106万4,440人(2.9%増、シェア12.9%)、日本が68万2,788人(8.1%増、シェア8.3%)、台湾が32万7,273人(35.0%増、シェア4.0%)となった。

新型コロナウイルス感染拡大による観光業の経済損失について、DOTのバーナデット・プヤット長官は、2~4月の3カ月間で429億ペソ(約858億円、1ペソ=約2円)発生すると見込む。一方で、920万人とする2020年の目標は据え置くとした。

表 2019年の外国人観光客数

(坂田和仁)

(フィリピン)

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