新型コロナウイルス対策について大統領が声明を発表

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年03月17日

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は3月15日、国内で感染が拡大する新型コロナウイルスについて声明を発表し、地方自治体の首長に対して、中央政府と連携した対応をとることを要請した。要請事項には、当該地域における感染拡大の状況に応じて、学校施設を閉鎖して在宅学習とすること、多くの人が集まる行事を延期すること、公務員の在宅勤務を導入すること、などが含まれる。声明の前日には、新型コロナウイルスについて国家防災庁のもとに政府特別チームを立上げ、国軍や警察と連携した機動的な対応が取れる体制を構築するなど国内対策を本格化している。

インドネシアのコロナウイルス感染者は、3月2日に初の感染例を発表した後、15日時点で117人の感染、内5人の死亡が確認されている。政府は当初、感染経路として海外から流入したケースであることを強調していたが、現在は国内で感染が拡大していることを事実上認めている。15日時点で感染が確認された地域は、ジャカルタ、西ジャワ州(デポック、ブカシ、バンドン、チレボン)、バンテン州(タンゲラン)、ジョグジャカルタ、 中部ジャワ州(ソロ)、バリ、北スラウェシ州(マナド)、西カリマンタン州(ポンティアナク)となっている。

今回の中央政府の対応に先駆けて、地方自治体の首長は、感染地域の発表や独自の対応を打ち出していた。中部ジャワ州のソロ市は、3月13日に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国内初となる非常事態宣言を発表し、人の集まるイベントの中止・延期や当面は学校施設の閉鎖などを決めた。また、ジャカルタ特別州も、観光施設や学校施設の閉鎖を決定した。こうした地方自治体の動きに対し、今回の声明では、中央政府と連携した対応を取ることを要請した格好だ。

同声明を受けて、西ジャワ州、中部ジャワ州は14日間の学校施設の閉鎖と在宅学習を行うことを発表した。バンテン州は声明に前後して、非常事態宣言を発表している。

(山城武伸)

(インドネシア)

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